土地と歴史に磨かれた佐渡能とは。
佐渡能の歴史は、佐渡一国が天領(幕府の直轄地)であった頃に遡ります。慶長9年、初代金山奉行としてやってきた大久保長安公が、自ら能役者出身であったこともあり、佐渡の地に能を広めたと伝えられています。神事であった能が奉行所の役人などによって行われるようになり、やがて庶民に広まるようになったのは、本間家が「宝生座」を開いてからといわれています。
佐渡では畑仕事の時も謡を口ずさむ。
以後、佐渡で能は庶民に親しまれ、今では、農家の方々が畑仕事をしながら謡を口ずさむほど浸透しています。今回ご出演いただいた佐渡能楽倶楽部以外にもいくつかのグループがあり、日本でも有数の能が盛んな地といえるでしょう。
能というと格式が高いというイメージですが…。
佐渡能楽倶楽部を指導していらっしゃる本間英孝先生に伺ったところ、今は能楽堂だけでなくパブリックスペースや街の中などで公演を行うことも大変多いそうです。海外公演も多く、38か所もの公演を行っています。今回のお客さまも普段あまり見る機会のない能ということもあって、真剣に鑑賞されている様子でした。